フレンチヴィンテージを掛けたいけれどそもそも鼻に乗らない…。通販で買ったけど鼻盛りしてもしっくりこない…。
トレンドのクラウンパントやフレンチ系のフレームはそれが当たり前です。
勿論それを何とかするのが眼鏡店の仕事です。
それでも全員にしっくりくる、なんて絶対はないと思っています。

…ずっと探していました。"ジャパンメイドの掛け心地が担保された"ゴリゴリにフレンチテイストなフレーム。

パッと見てわかる生地のキレイな色味。フレンチテイストでよく見るハイブリッジめのウエリントン。
サイズ感的にカラーを入れても様になりますね。
と言うか薄カラー入れるとめっちゃ洒落っ気でそう…。

何気に驚いたのがテレビジョンカットが施されています。
もうこれだけでもたまりません（何が？）
レンズの周りを少しえぐって昔のブラウン管のテレビみたいにしてる所から名前の由来が来てます。
最近じゃあまり見ないです。

フレームの下部のカッティングが独特でこの形に削り出すためにオリジナルの刃物を作ったと伺っています。
実はこのモデルのみ左テンプルに座彫りがありアクセントになってます。
凄い手間とこだわり…。（良い意味でちょっと引いてます。）

テンプルの芯金は縫い針がモチーフだそう。
フランス語で縫い針はAiguilleと読みます。（実はこのモデル芯金に縫い針と彫り込まれているんですよね。）
これがこのモデルの名前の由来"Aiguille02"となっています。

このデティールが良い。もちろんシューティングでは無理なので手作業の芯張りで作られています。

鼻パットもチタンパットでボタンの形。

ここまでご覧頂いてピンときた方もいらっしゃると思います。
眼鏡を服飾になぞらえているわけです。
フランス語のfil(糸)とbutton(ボタン)からブランドネーム、"filton"が生まれています。

"filton"はデザイナーさんが元々美術の畑出身、そこを経由して眼鏡職人になった事で、企画から製造まですべてを経験されているユニークな方です。
これって結構重要な事だと思っています、製品として仕上がってくるメガネのデザインと品質が高い水準で調和しています。
どちらかに天秤が傾いていない、良い拮抗を生み出しています。

よくあるキハクカラーとは違い少しグレーが入っています。
ちょっと他で見ない色味ですね。上品です。
薄いブラウンカラーとか入れると嫌味なく決まりそうです。

ホントカッコ良い眼鏡ですよ。